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術後の経過はかなり良好♪左太ももには痺れが後遺症で残る。それでも歩き回れる元気さがあったから食欲、便通も快調で気持ちが軽くいられた。3週間は入院予定と医師から言われたがあまりの回復力に、10日間で一時退院となり治療開始は改めて再入院後となった…。

抗がん剤に向けては、闘いに挑むようなドキドキ感もMAXで脱毛前に髪を切り、悔いなく食べてと入院時には少し体重も増加していた(驚)

抗がん剤はTAC療法。(パクリタキセル、ファルモルビシン、カルボプラチン)投与…。

血管が細いため点滴が入らず、液漏れで右腕にしこりが残る。副作用とはスゴいもので経過どおりに症状が出ることに感心した…。吐き気、白血球減少の為、注射を打つ。40度近い高熱が出る、口内炎、末梢神経障害、脱毛と毎回繰り返された。そして、何よりも大変なのが卵巣欠落症のホットフラッシュで保冷剤が手放せず、体温調節もきかないため呼吸が苦しくなる。健康でいられることの感謝を改めて実感した…。

脱毛が始まり、想像している以上に抜け落ちていくスピードに驚いた。(何か見たことある〜?)まるでドラマのワンシーンみたいだった…。

一回目から髪もかなり抜け落ちて鏡を見るのもショック…(涙)主人にもその姿は絶対見せたくなくて帽子は被ったままだった。しかし、隠しきれなくて勇気を出して外した時、「大丈夫…♪おかしくないよ〜昔から同じで変わらないよ〜」と、笑顔でびっくりする様な言葉をかけてくれる。「ハゲてそんな訳ないだろ」とツッコミたくなるぐらいの励ましだったが、私の胸は暖かく、嬉しかった…。眉毛がなくなった時はヤクザより恐く、まつ毛も鼻毛も全てが抜け落ちた時には宇宙人みたいな姿にすっかり慣れてしまい、せっかくの記念なので写真を撮ったり、ぬいぐるみにカツラを被せてはふざけた写メを友人に送っていた。

家でじっとしていると不安が押し寄せるので愉しい事を探しては笑っていた。

常に白血球は1000ぐらいまで下がり、毎回注射を打ち、吐き気さえなければマスクをして外出したり(何度も40度近い熱が出て怒られるが…)テレビはバラエティーばかりを観て過ごしていた。

さすがに四回目になった時は蓄積された体の苦しさと心も辛くなって、押し寄せる不安な気持ちに負けそうになる…二度と仕事も出来なくなるのではと心身ともに切なくなった時、近所の映画館まで「テルマエロマエ」を這うようにして観に行った。帰りには笑い過ぎて、クヨクヨするのをなんだか忘れられた気がする…。

私はその事から当たり前に出来たことが出来なくなって切ないこともあるけど、前よりも出来ることを見つけるのが少し上手になったと思う。気持ちの切り替えも早くなってそれが癌になってからの一番嬉しい収穫だった♪

To be continued…