私は今熊本県に住んでいますが、去年1月中旬、主人の故郷である、ここに越して来ました。
主人の父が他界し、お兄さん(長男。ちなみに私の主人は次男です。)がいるのですが、家を建てて結構遠方に住んでいるということもあり、母ひとりになるということで、次男である主人と私二人が母と共に暮らすことになりました。
今から思うと本当に地獄そのものでした。
私はもともとは、愛知県が故郷です。高校を卒業し、主人は愛知県に就職し10年近く住んでいまして、私は友達の彼氏の紹介で主人と出逢いました。一年近くお付き合いをし結婚しました。
いつかは主人も年をとり、晩年は熊本で暮らすことになるのかな…と思ってはいましたが、正直こんなに早く熊本に来ることになるとは思いませんでした。
結婚し8年がたちましたが、こちらにくる数年前から私は、子宮筋腫を患っていました。毎回エコーをするたびに、少しずつ大きくなる筋腫が怖くなり私は、病院に通うのをやめてしまいました。
それから、一年近く放置しました。不正出血、ダラダラと続く出血は、すべて、筋腫のせいだと言い聞かせていました。
熊本に来ることになって私は、「熊本に行ったら、婦人科にいけばいいや、死ぬわけじゃないし…」と、ものすごく安易な気持ちでした。でも、主人に「熊本に行く前に一度病院に行ってきな!!」と言われ、ま、行ってみるかな…という軽い気持ちで病院にいきました。ガンの検査は念のためでした。
そして、結果がでたのは本当に年末。先生に「念のためにとしたガン検査が、悪性であろうと思われるできものが見つかりました。たぶん初期ですが、もしかすると、手術をしなければいけないかもしれません。熊本に行ったら、すぐに大きな病院で、きちんと調べてください」と告知を受けました。
わたしは愕然というより、唖然として初期なら大丈夫だよね、大丈夫だよね、と、自分に言い聞かせ、お昼休み主人に電話をしました。「どうだったの?」と主人。私は「なんかねぇ、ガンだって、手術をしなければいけないかもしれないんだって」と言うと、主人は「え〜〜!!」と、驚きました。
熊本にきてすぐに、市内の大きな病院に行きました。
来て早々検査、検査の日々。結果がでるまでは、生きた心地がしませんでした。青空を見上げて、死ぬんかな?やっぱり…と車で走っていても、お葬式の看板を見るたび、いつか私もあそこに名前がでるのかな…とマイナスなことばかり考えざるをえないような状況でした。
あと、来たばかりのこの地で主人がいないときは、ひとりぼっち…。
本当に、死しかその時の私にはありませんでした。いろいろな検査をし、担当の先生に検査の結果をききました。「子宮体がんの初期ですが、初期のなかでも、初期の中間の様なところでやはり、子宮卵巣摘出しなければいけません。でも手術すれば、命は助かります。」と言われました。私は、先生の前でわんわん泣きました。でも、それは私にとって悲しい涙ではなかったのです。
むしろ命は助かるんだと、手術さえすれば生きられるんだ、生きてさえいられればなんとかなる!!今まで検査の結果が出るまで、生きた心地がしなかった。やっと結果がでた、助かるんだとその思いで胸がいっぱいになりました。
ただ、その時の私は死ぬほどつらい手術のことなど、想像もつかずにいました。

私は手術の前日に、入院をしました。
ちなみにそれまでの検査は、どんな感じなのか気になる方もいると思うので、書いておきます。ガン検査ということで、細胞診(細胞を少し採取して、細かく検査するのですが)を熊本に来る前に愛知の病院でもしましたが、特に麻酔などもしませんでした。看護師さんや先生に「もう少しだから頑張ろうね!!」と励まされ、どれくらいの時間か分からないけど、今までに味わったことのない部類の何と表現したらよいかわからない痛みでした。
精神的な病気を持っている私は、細胞診が終わった後、会計を待つ間痛みが続き、冷や汗がでて、息があらくなり、過呼吸を起こしかけました。ギリギリの所で耐えて何とか痛みから解放されました。
皆さん検査を受けたいけど、痛かったら…と考えて、躊躇する方が多いと思いますが、包み隠さず伝えたいと思います。個人差はあると思うけど、正直に私が感じたのは、相当痛みがありました。

先ほど、私は、精神的に病気を持っていると書きましたが、ガンになる10年近く前から、私はうつ病を患っています。
今も通院しています。ガンになり、精神的にダメージを受けて、心療内科さんにかかる方が多いと思いますが、わたしは、ガンになる何年も前からうつ病だったので、婦人科の、担当医の先生が、そこが一番心配だったみたいです。
愛知で細胞診の時、とても辛かったので熊本で再度細胞診をするときは、全身麻酔をかけてもらったので、全く痛くはありませんでしたが、麻酔から覚めてほどなくすると、気持ち悪くなり帰りは主人が運転してくれましたが、車の中で、気持ち悪さが増してきて家について少しすると、トイレでたおれこみ、もどしてしまいました。
その後、病院に電話で聞くと、たまに気分が悪くなる方がいるそうです。事前検査はそれ以外にも、手術に耐えられる体なのかなど、一通りの検査はしました。細胞診以外の検査はそれほど苦痛を伴うものは、特にありませんでした。

To be continued…